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癇癪持ちの子どもが急に怒り出した時の対応法
〜怒りグセを残さない裏技〜




皆さんは、子どもの怒りや癇癪への対応に困っている、なんてことはありませんか?

実は、発達障害・グレーゾーンの子育て相談を受ける中で一番多い質問が、
「子どもの怒りにどう対応したらいいか?」
「お母さん自身の怒りをどうしたらいいか?」
という内容です。

怒りは自然な感情の1つなので、怒ることが悪いのではありません。怒りの感情に罪悪感を持つ必要などないのです。

けれども、大半のお母さんは、
「今日もわがままを言われ、叱ってしまった…」と反省したり、
「この子を連れて外出するのはしんどいな…」
などと子育てに疲れたと感じることがあるのではないでしょうか。

こんな風に自分を責めたり、周囲の目が気になったりするお母さんのお気持ちもよくわかります。

そんな時、どうすれば子どもの怒りや癇癪がすっと落ち着くのか、今回はお話しします。

特に悩み相談で多い、幼児や小学校低学年くらいのお子さんの怒りや癇癪の対応について考えてみましょう。

発達障害・グレーゾーンで発達がゆっくりな子には、多かれ少なかれ衝動性があります。特に、怒りの衝動性、つまり癇癪に対して自分で感情のコントロールが効きません。

これは、脳の情動を司る部分に特性があるため、怒りの沸点が低かったり、言葉の発達が遅くて言いたいことが伝えられず、それが怒りとして表出したりするからです。

つまり、怒りは発作のようなものなのです。

こうした子どもの怒りや癇癪の理由のほとんどは、思い通りにいかなかったからという、やや身勝手なものです。

「僕が〇〇やりたかったのに〜!」
「このお菓子じゃないと絶対にいやだ〜!」
「○○だと思ってたのに〜!」
といった、とても主観的なもの。



こういった怒りは発作みたいなものですから、そのうちにすぐに治ります。

幼児なら1〜2分、児童ならもう少し長くかかりますが、いずれにせよ怒ってもあっという間に気分が替わって、怒っていたことを忘れてしまいます。

しかし、多くの人は放っておけば治まる癇癪に取り合って、子どもの訴えや願いを叶えてしまっていないでしょうか?

もし、そんな風に願いを叶えてしまうと、子どもはことあるごとに癇癪を起して、要求を叶えてもらわなければ気が済まない「怒りグセ」のある子どもになってしまいます。

ですから、子どもの怒りや癇癪への対応は、まじめに取り合わない! つまり、スルーをするのが1番よい方法なのです。

「え?スルーでいいの?注意しなくていいの?」と思われるかもしれませんが、基本的にはスルーするのが正解です。

ただ、この「スルーする」という対応が、実は非常に難しいのです。

いきなり無視してスルーしようとしても、子どもは抵抗しますし、お母さんもやりづらいと思います。

そこで重要なのが、スルーしながらそっと見守る時に、お母さんがやることを決めておくということです。

例えば、カタログを見るとか、シンクの掃除を始めてみるとか、読みかけの本を読むなどです。



お母さん自身が感情を荒らさないため、そして子どもを見て見ぬフリをするための行動ならば、基本的に何をやってもOKです。

本当にカタログに夢中になるのではなく、そっと子どもの様子を気にしながら、お母さんは別のことをしていればよいのです。

すると、子どもは誰からも取り合ってもらえないので、仕方なく1人でモゾモゾし始めます。ここで声をかけずに、子どもが落ち着いてくるのをじっくり待ちましょう。

この対応を繰り返していくと、たとえ子どもが怒ってしまったとしても、落ち着くまでの時間が徐々に短くなってきます。

誰にも何の反応もされない無意味な行為は、次第に減っていくのです。

けれども、このスルーする対応には注意点があります。今まで子どもの怒りや癇癪に対して反応して注意をしてきたご家庭ならば、お子さんの怒りや癇癪が必ずと言っていいほどエスカレートします。

怒りや癇癪を起すのは誰かに反応してもらうのが目的ですから、反応しなくなると「これでもか!」とさらに悪い言葉を使う時期が訪れてしまうのです。

ただ、ここで取り合ってしまうと、「汚い言葉を使えば使うほどお母さんが反応してくれる」という誤った学習をして逆効果になります。

ですから、一度はエスカレートすると知った上で、スルーの態度を決め込む覚悟が大切です。

そして、このスルーのテクニックを使う上で絶対に守ってほしいルールがあります。

子どもが機嫌を直し、落ち着いて本来やるべき行動をしたら必ず、認める、褒める言葉をかけてあげること!

このルールを守らずにスルーをすると、ただ親子関係が悪化してしまうので、逆効果になってしまいます。

スルーしっ放しはNG!
普段から褒めてくれるママが、取り合ってくれない時に、子どもは自分で考えて落ち着いて行動しようと切り替えます。

「よく我慢したね」
「自分でちゃんと落ち着けたね」
「ママは○○してくれて嬉しいな」
など、子どもが癇癪を我慢し、気持ちを落ち着かせたことを必ず褒めてあげましょう。

この褒め言葉を伝えることは、子どもの正しい行動に対して注目を向けることになり、子どもも認められることで、正しい行動を繰り返せるようになってきます。



悪いことをしたら取り合わない、良いことをしたらしっかりと褒める、このメリハリが重要なのです。

子どもの怒りグセを残さないためにスルーする、そして気持ちがおさまったときには褒める。
ぜひやってみてくださいね!

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執筆者プロフィール
吉野加容子



親子のコミュニケーションをスムーズにして子どもの発達を加速させる
発達科学コミュニケーショントレーナー

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