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子どもと一緒に発酵を学ぼう!
お家で簡単「味噌づくり」




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外食する機会が減って、家族で食卓を囲む時間が増えた今、毎日の食事づくりに頭を悩ませている方も多いはず。

そろそろ自分の作るお料理の味にも飽きたよ! そんなママたちが笑顔になるレシピを、料理研究家のりんひろこさんがお届けします。

お子様と一緒に簡単に作れる、美味しくて栄養たっぷりの発酵料理をご堪能ください。
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〇味噌の歴史

味噌は日本人になじみの深い調味料ですが、実は中国から伝来されたという説が有力です。

飛鳥・奈良時代に遣唐使によって、茹で大豆を発酵させて塩をつけた「醤」という調味料が伝わり、奈良時代後期には「醤」と醤になる前の「未醤」という、今の味噌の原型になる調味料が、「養老律令」(718年)に記されていて、貴族が口にしていたことが伺えます。

平安時代になると、「未醤」が「味噌」と呼ばれるようになり、日本独自の調味料として発展していきました。この頃は、食べ物に付けたり、なめたり、かけたりして食べられていたのですが、薬としても価値の高いものだったので、庶民の口には入らないほどの高級品でした。

平安時代中期には、京都に醤屋や未醤屋ができ、甘みの強い白味噌も作られるようになりました。それが貴族にとっては貴重な甘味だったようです。

やがて鎌倉時代になると、すり鉢を使って粒味噌をすりつぶすとお湯に溶けやすく、スープの味付けに最適だということがわかり、味噌汁が盛んに作られるようになりました。



そして、味噌汁を中心とした一汁三菜という武士の食事の基本ができあがります。
そして室町時代になると、味噌汁が急速に日本中に広まっていきました。味噌は大豆を主原料としたたんぱく質豊富な食材で、長期保存も可能のため、農家はもとより、武家屋敷でも自家製味噌を2〜3年分蓄えて、飢饉に備えたそうです。

戦国時代には、武将は貴重なたんぱく源として味噌を戦場に持参しました。江戸時代になると日本人の日常食に欠かせない調味料として味噌が定着していきます。味噌汁は庶民にも親しまれるようになり、味噌を使った様々な料理が誕生しました。

かの有名な「東海道中膝栗毛」には、日本各地の味噌料理が紹介されている程です。

〇いろいろな味噌の作り方



味噌は大豆を主な原料として、麹と食塩を合わせて発酵させた調味料です。味噌はどの麴を使って作るかによって、「豆味噌」「米味噌」「麦味噌」に分けられます。

豆味噌は中国から伝来した昔ながらの製法によるもので、大豆に麹菌をつけて繁殖させた大豆麹を使って作ります。愛知県の八丁味噌がその代表で、柔らかいチョコレートのような見た目と深いコクが特徴です。

麦の栽培が昔から盛んだった四国・九州地方では、麦に麹菌をつけて作る麦麹を使って作る、あっさりとして甘い麦味噌が主流。

その他の日本の大部分では、米に麹を繁殖させて作った米麹を使う米味噌が一般的です。
関東や東北のスーパーで売られている味噌のほとんどが、この米味噌になります。

〇味噌に含まれる栄養

味噌にはたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養がバランスよく含まれています。特にたんぱく質は、麹菌に含まれるプロテアーゼという酵素によってペプチドやアミノ酸になり、人間の身体に吸収されやすい状態になっています。

味噌には塩分が含まれているにもかかわらず、血圧低下作用がある他、熟成の進んだ味噌が赤褐色に変化する過程で生まれる「メラノイジン」という褐色の物質に、強力な抗酸化作用があることでも注目されています。

また、発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内環境を整えてくれますよ。

〇味噌の作り方(2kg分)

<材料>
大豆400g
こうじ※ 550g
塩  240g
煮汁 50〜100cc
※こうじは、米麹でも麦麹でもお好きなもので。

<必要なもの>



・食品にかけてもよいアルコールスプレー(ない場合は、ホワイトリカーをスプレーボトルに入れてもOK)
・Lサイズのキッチンポリ袋 1枚
・厚手の清潔なビニール袋40〜45L(清潔な厚手のゴミ袋でもOK。100円均一などに売っている、布団圧縮袋などでも代用できます)
・Lサイズのジッパー付きストックバック 1枚

<作り方>
1 大豆は前日に水に浸して6時間以上おいておく。



2 一晩水に漬けた大豆を、たっぷりの湯でさし水をしながら中火で3時間程度茹でる。途中アクをすくって捨てる。一粒つまんでみて、指で簡単につぶれるくらいになればOK。
※ゆで上がった煮汁は200cc程度取り分けておく


3 塩とこうじをポリ袋に入れて混ぜ合わせる。



4 大豆をザルにあげ、粗熱の取れた人肌程度の熱さに冷ます。



5 冷めたら厚手のビニール袋に入れて、空き瓶で叩くか、足で踏むなどして豆をつぶす。



6 5のつぶした大豆に3の塩こうじを合わせて混ぜる。



この際、大豆が熱すぎるとこうじ菌が死んでしまうので人肌(40℃)以下まで冷めてから混ぜ合わせる。途中で煮汁を50〜100?程度加えて、紙粘土くらいの硬さになればOK。ぼそぼそしている場合は、煮汁をさらに加える。

7 ジッパー付き袋に詰めていく。



丸めて味噌玉を作り、中の空気を抜くように、特にすみっこには空気が残らないよう指で押しつけながらジッパー付きストックバックに詰めていく。



8.最後に食品用アルコールスプレーを閉じるジッパーの周りと上の方の大豆にさっと吹きかけてから、空気を抜いてぴっちりジッパーを閉じ、冷暗所(秋〜春先であれば常温でOK)で保存する。



※半年くらいから食べ頃。1年おいてよく熟成させても美味しい。
※夏場の暑い時期のカビが気になる場合は、冷蔵庫に入れる。
※ジッパー付き袋の場合、初期にもろみのような液体が出てきて漏れてくるようなら、袋ごと別のビニール袋に入れるか、一度開けて液を混ぜ込んでもよい。

味噌づくりは、お子さんと一緒に楽しめて、材料がシンプルな分、発酵食品を学ぶのにぴったりの食材です。

ぜひご家庭で挑戦してみてくださいね。

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執筆者プロフィール
りんひろこ



京都で学んだ懐石料理や、大学時代に時代に留学していた台湾料理、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。 言語聴覚士としての病院勤務経験を生かした介護食や嚥下食、離乳食の提案も行う。

「みなとキッチン」料理教室を2010年より主催。