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笑う門には福来る!
思わず笑みがこぼれる、元気みなぎる絵本5冊




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1月。冬休み明けの子たちに出会うと
新しい年の始まりに決意新たにする子、お正月休み気分の子、進級が近づいてドキドキしている子、なにも変わらず普段通りの子。

どの子も学校図書館に来たときは、大きな声で「あけましておめでとうございます!」と言ってくれたことを思い出します。

久しぶりに子どもたちの元気な姿を見て、今年一年みんなも無事に過ごしてほしいなぁ、と思ったものです。

健康でいるためには食生活が大事ですが「笑う」ことも大切です。

というわけで、新年の始まりは親子で思わず笑ってしまうような絵本を集めました。

児童からのリクエストが多かった絵本を含む5冊を紹介します!
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みんながよく使う「アレ」に変身しちゃうなんて!?視点が変わる「いちにちぶんぼうぐ」

『いちにちぶんぼうぐ』ふくべあきひろ(著)かわしまななえ(絵)/ PHP研究所

主人公の男の子は、文房具に変身することを思いつきます。

理由は「かしこそうだから」。

さて、文房具に変身したら、一体どうなったのでしょう?

クリップに変身!
……たくさん書類をはさんで苦しそう。

えんぴつけずりに変身!
……腕をぐるぐる回し続けて、キツイ!

そのほか、メジャー、下敷き、そろばんなど、いろんな文房具に変身しながら、文房具の気持ちを体験する絵本です。

1ページにひと言という短い文章と、インパクトのある変身した姿に、思わず笑いがこぼれてしまいます。

ひとしきり笑ったあと、ほんの少し堅苦しい存在だった文房具が身近に感じられる絵本です。小学生にはもちろん、これから新入学を迎えるお子さんにもおすすめですよ。


「思ってたんとちがう!」ページをめくるたび次の展開が待ち遠しくなる『かものはしくんのわすれもの』

『かものはしくんのわすれもの』かないずみさちこ(著)/ 大日本図書

おめかししたかものはしくんは、おばあちゃんのお誕生日を祝うため、プレゼントを持っておでかけします。

ハリネズミくんに出会ったかものはしくんは、挨拶で帽子を取ると、そのまま忘れてしまいます。

つぎに、湖で泳ぐため服を脱いで泳いでいたら服を忘れ、今度はひれに水が入ったため、ひれを脱ぎます。

え…「ひれに水が入る」?
ひれを「脱ぐ」?

ひれって、脱げるのものなのでしょうか。

読者の疑問をよそに、かものはしくんはどんどんおばあちゃん家に向かうため進みますが、彼はさらに「いま必要のないもの」を次々と脱いで、そのまま忘れていくのです。

めくるたびに姿が変わるかものはしくん。忘れ物の多い子どもたちでも忘れない、まさかの忘れ物に、次はどうなっちゃうの? とめくる手が止められません……!

小学2年生の読み聞かせでも好評だった『かものはしくんのわすれもの』。

もう一度読み返すと、頼もしい友だちの存在に気づき、1冊で二度おいしい絵本です。


関西弁の翻訳で笑わせるのかと思いきやホロリと泣かせる韓国絵本『あめだま』

『あめだま』ペク・ヒナ(著)長谷川義史(訳)/ブロンズ新社

韓国で人気の絵本作家、ペク・ヒナさんのお話を、長谷川義史さんが関西弁で翻訳しています。

ひとりぼっちの少年、ドンドンはある日お店で「あめだま」を手に入れます。

ひとつ、口に入れると、今まで聞こえてこなかった「声」が聞こえるようになりました。

いつも使っているソファからはなんと、苦情!

リモコンがはさまっていたいことや、パパにおならをしないよう関西弁で訴えます。まさかの声にびっくりしたドンドン。

絵柄の異なるあめだまを一つ口にいれるたびに、犬の気持ちや父親の気持ちに気づいていきます。

風船ガムを食べたときに聞こえたのは懐かしい人の声でした。

ちょっとした辛さや、ちょっとした切なさを、関西弁が絶妙なバランスで表現してくれています。

孤独を感じている子どもに、甘く温かな想像力を与えてくれる絵本です。


留守番中のぬいぐるみはあばれんぼう!?こどもに大人気のシリーズ『ほげちゃん』

『ほげちゃん』やぎたみこ(著)/ 偕成社

青い色をしたカバのような姿をしたぬいぐるみ「ほげちゃん」。

ゆうちゃんの家族として迎え入れられたほげちゃんですが、パパからおならを吹きかけられ、猫にはふんづけられ、仲良しのゆうちゃんからもケチャップのついた手で触られてしまいます。

挙句の果てには、みんなとのおでかけに連れて行ってもらえず、「きたないから」とママに言われ、ほげちゃんだけお留守番することに。

玄関を閉じた瞬間、ほげちゃんはむくりと起き上がり、「ゆるせないー−−!!」と反逆に出るのです。

家じゅう散らかしたあと、自分がケチャップで汚されたように、家中ケチャップで汚してしまうことを思いつきます。

一生懸命、冷蔵庫によじ登るほげちゃん。果たして、ほげちゃんは無事「復讐」を果たせるのでしょうか。

親から「やっちゃだめよ!」と言われることを平然とやってのけるほげちゃん、かっこいいですね。

ぬいぐるみが寂しがっているのではなく、暴れているのも子どもからみると安心できるのかもしれません。

こちらも、子どもたちからの人気も高く、リクエストを多くもらっていた絵本です。


ぶたのなる木を育てるオオカミ。オオカミの野望は叶うのか!?『ぶたのたね』

『ぶたのたね』佐々木マキ(著)/絵本館

オオカミといえば「強い」「速い」というイメージがありますが、『ぶたのたね』に登場するオオカミは走るのが遅いのです。ぶたを仕留めようとしますが、いつも逃げられてしまいます。

悩むオオカミを見たきつねはかせは「ぶたのたね」を贈ります。

半信半疑でたねを植えてみたオオカミですが、しばらくすると大きくなった木から本当にぶたがぶら下がっているではありませんか!  もうすぐぶたをたらふく食べられる!

喜びいっぱいのオオカミ。けれどその日は、ぞうのマラソン大会が開かれるのでした。

ドスンドスン、という地響きとともに落ちるぶたたち。追いかけても追いかけても、追いつけないオオカミ。

逃げそこなったぶたをつかまえようと思ったら、しっぽが焚火に燻され慌てふためくオオカミ。

そう。オオカミはとことんツイてないのです。どれだけツイていなくても、オオカミはあきらめません。まだ残っているぶたのたねを植えてリベンジを誓うのでした。

約30年前に出た絵本ですが、現在も児童に人気で、2年生の教室ではよく担任の先生が読み聞かせ絵本に選んでいました。



文房具に変身する。ひれを脱ぐ。聞こえない声が聞こえる。ぬいぐるみが暴れる。ぶたのなる木。

現実には起こらない、けれど本当に会ったらおもしろい。もしかしたら、本当に起こるかもしれない。そんな絵本を5冊、紹介しました。

ちょっと悲しいことがあったとき、子どもを元気づけたいとき。「笑える絵本」を一緒に読んで、元気を取り戻してみるのはいかがでしょうか。

『ぶたのたね』『ほげちゃん』『いちにちぶんぼうぐ』は、シリーズが出ているので、一度気に入ったらぜひ、シリーズも読んでみてくださいね!

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執筆者プロフィール
絵ノ本桃子


区立図書館勤務後、育児をきっかけにシェア本屋「せんぱくBookbase」を開店。和室のある本屋として町で暮らす家族にとって読書の楽しみを提案している。本屋運営の傍ら、学校図書館勤務を経て、現在は不登校の子たちの学習をサポートしている。3児の母。

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