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甘酒の粒々の正体はお米!?
お家で飲む点滴「甘酒」を作ろう




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外食する機会が減って、家族で食卓を囲む時間が増えた今、毎日の食事づくりに頭を悩ませている方も多いはず。

そろそろ自分の作るお料理の味にも飽きたよ! そんなママたちが笑顔になるレシピを、料理研究家のりんひろこさんがお届けします。

お子様と一緒に簡単に作れる、美味しくて栄養たっぷりの発酵料理をご堪能ください。
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今回、ご紹介するのは甘酒です。



材料は、米と米麹(こめこうじ)のたった2つ。甘酒は、ご自宅でとっても簡単に作ることができます。

近年の麹ブームもあって、米麹は普通のスーパーでも一年中見かけるようになりました。板状になっているものでも、パラパラの米粒状のものでも、どちらでも甘酒作りに使えます。

この米麹、よく見るとお米に似た形をしていますよね。見た目の通り、実は米麹の原料はお米です。



でも米麹は真っ白で、ものによってはフワッとした綿菓子のようなものがついています。これは何かというと、麹菌というカビの一種。米麹の米粒が真っ白なのは、実は麹菌が中まで繁殖しているからなのです。

カビと言っても、人体に有害な毒素を持っているわけではなく、昔から日本人が味噌や醤油、日本酒などに使っている「黄麹」という、人間にとっては有用なカビです。

この黄麹の胞子を、蒸した米に振りかけて2日間培養して黄麹菌を繁殖させたもの、それこそが「米麹」になります。

日本で現在使われている麹は、ほとんどがこの黄麹ですが、他には黒麹や白麹という沖縄?九州地方で焼酎や泡盛に使われる麹も存在します。

〇麹菌は古くから日本に住む菌



麹菌は温暖で湿気の多い日本の風土によく合っていたので、古くから日本に存在し、発酵食品に利用されてきました。

文献としては、奈良時代の「播磨国風土記」に登場し、米麹を使った酒造りについて記されています。しかし、実際はそれよりも古い、紀元前から麹が日本にあったのではともいわれています。

〇麹の働きで食べ物に旨味が増す!?



麹菌は増殖する際に、様々な酵素を生み出します。

その中でも酵素の力が特に強いのが、たんぱく質をうまみ成分であるアミノ酸に分解する「プロテアーゼ」や、でんぷんを甘み成分であるブドウ糖に分解してくれる「アミラーゼ」。

この働きによって、複雑な旨味を作り出し、美味しい発酵食品が生まれます。

その他にも、麹菌の生み出す酵素は、生臭さを消したり、食感を柔らかくしたり、味を染み込みやすくもしてくれます。

また、麹菌は他の菌の繁殖を抑えて麹菌のみが増えるようにする作用があるため、食品の保存性がぐっと高まります。

〇麹を食べると体の中が整う

麹には老化の原因といわれる活性酸素を抑える抗酸化作用があります。

さらに腸内環境を整え、腸に集まっている免疫機能が正常に働くように促すので、免疫力アップやアレルギー作用を抑える効果、便秘の予防など、まさにいいこと尽くし。

そして、麹の発酵過程ではエネルギー代謝を助けるビタミンB群が発生します。このビタミンB1には疲労回復効果、ビタミンB2には新陳代謝の活性化が期待できます。

〇栄養たっぷりの甘酒は飲む点滴



甘酒は麹に餌となる米を与えて発酵させた飲み物で、麹の栄養分を生のまま摂取できるので、江戸時代には夏バテ予防として大人気でした。今でも「甘酒」は、夏の季語になっています。

甘酒には、多種のアミノ酸や葉酸、そしてビタミンB1、ビタミンB2、オリゴ糖、ブドウ糖など、点滴とよく似た栄養成分が含まれていることから「飲む点滴」と呼ばれることもあります。

作り方もとても簡単で、炊いたお粥にお水を加えて温度を少し下げて、米麹を加えて混ぜるだけ。

冷凍で作り置きもできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

この甘酒に塩を加えるだけで、野菜の即席漬けもできます。肉や魚の漬け焼きにも使える万能なタレもすぐに作れるので、合わせてご紹介します。

〇甘酒の作り方

<材料>
米 2合分
水 3合分(350?程度)
水 300?
米麹 300g

<作り方>
1. 2合の米を洗い、鍋か炊飯器で普通より多めの水加減(3合のメモリくらい)で炊く。



2. 炊きあがったら、水300cc程度を加えて少し冷まして(60度程度)、米麹を加えてよく混ぜ合わせる。



鍋は鍋のままでもよいが、炊飯器であれば保温したままにするとよい。麹菌は80度以上の高温になると耐えられずに死んでしまうので、60度以下にすることがポイント。

温度計がない場合は、お風呂より熱い程度(45度くらい)を目安に調整する。

3. そのまま蓋をして半日程度置いておく。途中、温度が下がっていたら、1〜2回再過熱して60度程度にすると早く甘酒ができあがる。



4. 1週間で食べきれるものはタッパーなどに入れて冷蔵し、残りはジッパー付き袋に入れて平たくして冷凍しておくと、好きな時に好きなだけ折って取り出して使える。



甘酒アイスとしてそのまま食べも、牛乳を混ぜてシェイクにして飲んでもおいしいですよ。

もちろん夏でも、体を冷やさないよう、レンジで温めてホットで飲むのもおすすめです。

〇麹を使ったアレンジレシピ

<材料>
甘酒 100g程度
塩 小さじ1

<作り方>
甘酒と塩を混ぜ合わせる。

【浅漬け】
キュウリ、レタス、トマトなどを一口大に切り、1のタレとともにビニール袋に入れて10〜20分置く。

【鶏肉の三五八(さごはち)漬け焼き】
一口大に切った鶏もも肉を1のたれとともにビニール袋に入れて、30分以上冷蔵庫に置いてから、タレとともにフライパンで焦がさないように弱〜中火で焼く。

甘酒に含まれる麹の働きでお肉が柔らかくなり、旨味も増します。浅漬けも即席でできるので、食卓にもう一品ほしいというときに便利。ぜひお試しくださいね。

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執筆者プロフィール
りんひろこ



京都で学んだ懐石料理や、大学時代に時代に留学していた台湾料理、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。 言語聴覚士としての病院勤務経験を生かした介護食や嚥下食、離乳食の提案も行う。

「みなとキッチン」料理教室を2010年より主催。