【絵ノ本桃子】みんなは、どんな服が好き?衣替えの時期にぴったりな「服」がテーマの絵本

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2022.10.13

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【絵ノ本桃子】みんなは、どんな服が好き?衣替えの時期にぴったりな「服」がテーマの絵本

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【絵ノ本桃子】みんなは、どんな服が好き?衣替えの時期にぴったりな「服」がテーマの絵本

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10月に入り、制服を着用している園や学校では、そろそろ衣替えが始まる頃ではないでしょうか。

「服」は子どもたちにとって、自らのこだわりを表現することができるひとつのツールです。

スカートがいい!
帽子はいやだ!
車の絵が描いてある服がいい。

などなど、お気に入りの服やアイテムがあって、毎朝のコーディネートに時間をかけているお子さんも多いのではないかと思います。

そもそも、どうして人は服を着るのでしょうか。こだわりの服を身に着けることで、心にどんな変化が生まれるのでしょう?

子どもたちがうまく言葉にできないファッションに対する思いを、探しに行きませんか。

今回は「服」をテーマにした絵本を4冊、紹介します!

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生活様式やその国の気候に適応した、世界各国の民族衣装を紹介する『世界の民族衣装』

▲『世界の民族衣装』竹永絵里(著)/ 河出書房新社

日本の民族衣装といえば?と聞くと、「着物!」と答えてくれる子どもは多いですが、では、ほかの国にはどんな民族衣装があるのでしょう。

お隣の国である韓国や中国は、日本と気候が似ているから、民族衣装も似ているのでしょうか?

北極や、北海道で暮らしていた先住民など、寒い地域で暮らす人々は、作物が育ちにくい中でどうやって服の素材を手に入れていると思いますか?

暑い地域で暮らす人々の服は、どんな工夫があるのかな?など、素朴な疑問に答えてくれる一冊。

国の名前を聞かれて、国旗や国の場所を答えられても、衣装まで答えるのって意外と難しいものです。『世界の民族衣装』は、とてもシンプルに世界中の民族衣装を紹介しています。

歴史的背景や模様の意味など細かな説明は省かれていますが、その分文章も短いので、読み聞かせるにもちょうどいい文章量の絵本です。

子どもたちが、おしゃれに興味を持った時だけでなく、他の国の文化に興味をもち始めた時に、一緒に絵本を通して世界を旅してみるのはいかがでしょうか。


「女王」という存在意義を国民に伝えるための衣装をたどる『女王さまのワードローブ』

▲『女王さまのワードローブ』/ ジュリア・ゴールディング(著)/ケイト・ヒンドレー(絵)/ 前沢明枝(訳)/ BL出版

在位期間70年という偉業を成し遂げたエリザベス女王。彼女のワントーンカラーで統一された洗練された着こなしは、メディアからも注目を集め、世代を超えて親しまれてきました。

女王誕生から現在まで、時代背景とともにエリザベス女王の衣装の変化をたどります。女王になる前、ガールスカウトに入団していたことや、第二次世界大戦中は整備士として働いていたエリザベス。

彼女の衣装がはっきりと変わったのは、在位して20年ほど経った頃で、ちょうどイギリスのファッション業界も最盛期を迎えた時期です。

衣装の歴史を通して、イギリスの歴史にも触れられるただひとつの絵本になります。


いじわるした友だち、応援してくれる友だち。『もしゃもしゃちゃん』の変身物語

▲『もしゃもしゃちゃん』マレーク・ベロニカ(著)/ みやこうせい(訳)/ 福音館書店

「プリキュアになりたい」
「ウルトラマンになりたい」

子どもたちはいつだって「なりたい自分」を胸に秘めているもの。もしゃもしゃちゃんも、その一人です。

歯みがきも、髪の毛をとかすことも、おふろに入ることもきらいなもしゃもしゃちゃん。

友だちと仮装パーティーに向けて準備中、もしゃもしゃちゃんが「妖精になりたい」というと、みんな「なれるわけがない」と笑います。

悲しくなったもしゃもしゃちゃんは、森に逃げ込みますが、そこで新しい友だちに出会います。
その子が、もしゃもしゃちゃんにくれたもので、なんと彼女は大変身するのです。

『ラチとらいおん』で弱虫な男の子を勇気ある男の子に変身させた、マレーク・ベロニカが贈る、もうひとつの変身物語。おしゃれが好きな子に、おすすめのロングセラー絵本です。


読んだあと、着ている服をめくりたくなる?服を科学する『ふくはなにからできてるの』

▲『ふくはなにからできてるの』佐藤哲也(著)/ 網中いづる(絵)/ 福音館書店

古代から脈々と受け継がれる民族衣装には、植物や動物の皮など、自然界のものを活用したものが多くあるのですが、最近では、化学繊維が使われることも当たり前になりました。

伸縮性のある素材、軽くて丈夫な素材など、普段当たり前に着ていた「お気に入りの服」を集めてみたら、素材が同じだった、なんて発見があるかもしれません。

『ふくはなにからできてるの』はタイトル通り、服がどんな素材からできているのかを紹介した絵本です。

冬に切るあたたかい服のタグのある「ウール」はなにからできているの?
ウェディングドレスを作っている「シルク」はなにからできているの?

羊という動物、蚕という虫、綿という植物などから服が作られているなんて、子どもたちには信じられないことかもしれません。

その地域でとれるものと、作られる服との関係にも少し触れているので、『世界の民族衣装』と併せて読むのもおすすめですよ。

末尾には表示記号がついているので、子どもたちが洗濯のお手伝いをするときの参考にもなります。

絵本を読んだ後に、持っている服のタグを見て、素材による肌触りや見た目の違いを楽しんでみてくださいね。

「伝統を伝えるため」「女王という責務を果たすため」、というシンボルとしての衣装があれば、「妖精が好きだから」という自己表現としての衣装もあります。

絵本を通して、子どもたちが身に着けたいものの「こだわり」を見つめていくと、子どもの「声」が見えてくるかもしれません。

服に関する本に興味を持ち始めたら、制服に関する本や民族衣装をさらに深堀した写真絵本などに進んでみるのもいいですね。


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<執筆者プロフィール>

絵ノ本桃子

区立図書館勤務後、育児をきっかけにシェア本屋「せんぱくBookbase」を開店。和室のある本屋として町で暮らす家族にとって読書の楽しみを提案している。本屋運営の傍ら、学校図書館勤務を経て、現在は不登校の子たちの学習をサポートしている。3児の母。

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