【絵ノ本桃子】雨の日が苦手な子どもたちと一緒に読みたい!水の仕組みを知って理科の知識が深まる絵本4冊

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2022.05.17

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【絵ノ本桃子】雨の日が苦手な子どもたちと一緒に読みたい!水の仕組みを知って理科の知識が深まる絵本4冊

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【絵ノ本桃子】雨の日が苦手な子どもたちと一緒に読みたい!水の仕組みを知って理科の知識が深まる絵本4冊

授業参観や運動会など、学校行事もひと段落し、梅雨の気配が少しずつ感じられるようになる5月下旬。


雨続きだと外では遊べないし、放課後も公園で思い切り体を動かせないからつまらない、と話す子も多く、そんな子どもたちで学校図書館があふれかえることもありました。


今回は「雨なんてきらい」という子たちと一緒に読んでもらいたい、親子で「雨のしくみを知る」絵本を紹介します。

きらいな雨も、仕組みを知ると、ちょっと楽しくなれるかもしれません。


思い通りに行かないのが冒険!水の世界を一緒に旅する『しずくのぼうけん』

『しずくのぼうけん』マリア・テルリコフスカ(著)/ ボフダン・ブテンコ(絵)/ うちだ りさこ(訳)


ある日、バケツからとびだしたしずく。

ホコリだらけになったしずくは、せんたくしてもらおうとしますがかわいたら消えてしまうことに気づき、びょういんでもぐつぐつ煮られることを拒みます。


ふたたび水に戻ってしまったものの、知らず知らずのうちに水蒸気となり雲の上にたどりついたしずく。雲の上は快適だったのに、今度はまた地上に降り立つことになりました。


こちらは、主人公の「しずく」があちこちを冒険することで、自然と水の仕組みについて知ることができる絵本。


このしずく、はじめはあたためられて消えることが怖かったのに、一度雲の上に行った後は、進んで水蒸気になって消えることを選びます。


けれど、そううまくはいかないもの。

水蒸気となってふたたび雲の上に戻れるとおもいきや、今度は違う結末が待っているのです。


冒険する過程で、新しい世界に出会い、経験を重ねるしずく。

次はどんな冒険が待っているのか、物語の続きを親子で話しながら、水の仕組みを考えてみるのも面白そうです。


この絵本は、1965年にポーランドで誕生し、世界各国で翻訳出版されてから、長く読み継がれている人気絵本です。


雨を呼ぶ積乱雲のしくみを物語で紹介『せきらんうんのいっしょう』

『せきらんうんのいっしょう』荒木健太郎(著)/ 小沢かな(絵)/ JAMハウス


夏になると、もくもくと浮かんでくる積乱雲。入道雲とも呼ばれ、見た目も大きくて存在感のある雲は、子どもたちにも一番人気の雲ですが、一方で雨を呼ぶ雲でもあります。


『せきらんうんのいっしょう』は雲研究者の荒木健太郎さんが書いた絵本です。

「だんきくん(暖気)」と「れいきくん(冷気)」をキャラクターとして登場させ、ふたりが励まし合いながら積乱雲が生まれていく様子を描いています。


「せかいいちの高い空の雲になってやる!」と意気込むだんきくんは、ぐんぐん上昇しますが、やがて負の感情も芽生えてきます。


人も、なんだか調子がいいな、と思って進んでいくと、どこかで反動が来てしまうことってありますよね。

雲の現象についても、それになぞられていて、負の感情に引きずられたところで、雨が降ります。


雨とともに冷気が降り、冷気は暖気が成長した積乱雲により生まれたものだったのだと気づく仕立て。

巻末にはミニ気象図鑑コーナーがあり、積乱雲の変化する様子を写真でもわかりやすく紹介しているので、理科が好きになるきっかけ作りとしてもいいかもしれません。

物語と図鑑、両方楽しめる絵本です。

科学絵本を届けてきた加古里子さんの絵本『みずとはなんじゃ?』

『みずとはなんじゃ?』 かこさとし(著)/ 鈴木まもる(絵)/ 小峰書店


『海』『地球』など、福音館の科学シリーズなどで、子どもたちに科学の楽しさを伝えてきたかこさとしさん。2018年に刊行したのは「水」をテーマにした絵本でした。


この絵本で特に焦点をあてているのが、人間の体に関わる「水」です。


人や動物の体の半分以上が水分でできていること、汗やおしっこで体のバランスを保っていること、体を冷やし、また温める働きをしてくれることなどを紹介しています。


氷や汗、水蒸気のことを、忍者や料理人、お布団など子どもたちに身近なもの(注:忍者は身近にいませんが、Eテレで忍たま乱太郎が放送されているので身近に感じる子は多いという前提です)に例えることで、それぞれの水の役割がわかりやすくなっているのも特徴的です。


水の話は、自然界の成り立ちのみに触れた絵本が多い中、かこさんの絵本は人との関わり方にも触れています。

人も、自然の一部であるということを伝えてくれているのですね。


かこさとしさんの作品には、じゃばら式にみられる絵巻じたての『かわ』もあります。

広げてみると源流から海までの様子が見られるので、合わせて読むと、よりイメージが湧きますよ。

観察のきっかけを与えてくれる『あめがふるときちょうちょうはどこへ』

『あめがふるときちょうちょうはどこへ』メイ・ゲアリック(著)/ レナード・ワイズガード(絵)/ 岡部うた子(訳)


ここまでは、水や雨に関する絵本を紹介しました。

最後は、雨と動物の関係について触れた絵本です。

みなさんは雨が降ったら、ちょうちょうはどこへ行くか、ご存知ですか?


花に留まるにしても、濡れてしまうし、巣も作らない。では、雨の日、ちょうちょうはどこで休むのでしょう。


この絵本では、ちょうちょうだけでなくもぐらやへび、ねこたちの雨宿りについて触れていきます。


もぐらはあなへ、へびは岩のあいだへ、ねこは玄関へ。それぞれの動物が行く場所は教えてくれるのですが、ちょうちょうはまったくわかりません。


この絵本、じつは最後まで結論が出ないのです。


雨が降ると、ちょうちょうは、一体どこへ行くのか、読み聞かせ後の子どもたちの反応は様々です。


絵にヒントが隠されているんじゃないかと何度もページをめくる子、

どこに行くの? と質問をする子。

自分なりの答えを導くかもしれませんし、もう既にちょうちょうのヒミツを知っている子もいるかもしれません。


読み聞かせをしながら会話することで、思考を深められる絵本です。

梅雨の時期は校内で楽しんでもらえるようにと、小規模な読書まつりやかるた大会を開催するなど、先生たちが校内でできるイベントを用意することもあります。


外で遊べない梅雨の時期こそ、絶好の読書タイム。

学校図書館や学級文庫で「読書の冒険」を楽しんだり、雨好きの動物たちが主人公の絵本を読んで、頭の中でたくさん冒険をしてみませんか?


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<執筆者プロフィール>

絵ノ本桃子

区立図書館勤務後、育児をきっかけにシェア本屋「せんぱくBookbase」を開店。和室のある本屋として町で暮らす家族にとって読書の楽しみを提案している。本屋運営の傍ら、学校図書館勤務を経て、現在は不登校の子たちの学習をサポートしている。3児の母。

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