【絵ノ本桃子】読書感想文にもおすすめ!知っているようで知らない、動物と人との暮らしを知る絵本・伝記

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2022.07.12

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【絵ノ本桃子】読書感想文にもおすすめ!知っているようで知らない、動物と人との暮らしを知る絵本・伝記

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【絵ノ本桃子】読書感想文にもおすすめ!知っているようで知らない、動物と人との暮らしを知る絵本・伝記

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例年より早い梅雨明けを迎え、酷暑の中がんばっている子どもたち。夏休みももうすぐそこ!

毎年この時期は、学校図書で借りていた本を一度返却して、夏休み用に借りる本を選ぶようになります。
借りた本を持ち帰ることができない学校もありますが、この時期だけは特別です。

夏休みは、子どもたちが日頃、どんな本を借りているのかを知るよい機会。ぜひ親子で、読書を楽しんでみてくださいね。

今回は、夏休みの読書感想文自由課題でおすすめの本をセレクトしました。
テーマは「動物と人との暮らし」です。
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あなたはいくつ知っている?世界のすごい動物伝記 おどろきに満ちた、歴史に残る50の動物

▲『世界のすごい動物伝記 おどろきに満ちた、歴史にのこる50の動物』ベン・ラーウィル(著)/ サラ・ウォルシュ(絵)/ 岡田好恵(訳)/ 講談社

動物の生態を紹介する図鑑はありますが、人と動物の歴史に触れた図鑑はあまりありません。

『世界のすごい動物伝記 おどろきに満ちた、歴史にのこる50の動物』には、タイトル通り、世界各地で活躍した50の動物たちが紹介されています。

宇宙船に乗った犬、熱気急に乗ったヒツシ、軍隊に属したヤギ。
26年ぶりの再会に歓喜したゴリラ、ご主人が亡くなっても待ち続けた、東京とスコットランド、それぞれの犬。

動物を通して、世界にちらばる科学の歴史・戦争・災害・文化に触れることができる1冊です。

紹介されているお話のなかには、日本で翻訳出版されているものもありますが、英語圏でのみしか書籍化されていない話もあります。

この本の中でしか出会えない心温まる動物の物語なので、ぜひ手に取っていただきたいです。

小さくても警察犬になれる!『がんばれ、アンズ! けいさつ犬になったトイプードル』

▲『がんばれ、アンズ! けいさつ犬になったトイプードル』鈴木博房(著)/ 宮尾和孝(絵)/ 岩崎書店

警察犬といえば、力強く堂々とした立ち居振る舞いをしたシェパードやドーベルマンを思い浮かべますが、この本に登場する警察犬はなんと、トイプードル!

ある日、警察犬の訓練士である鈴木さんのもとに、トイプードルがやってきました。

「アンズ」と名付けられたトイプードルは、先住犬であるシェパードとも仲良くなり、鈴木さんとシェパードたちの訓練に付き添いに出かけます。

訓練をして、褒められている彼らを見て「自分も彼らのようになりたい!」と自ら訓練に参加するようになったアンズ。

小型犬の警察犬を訓練したことがなかった鈴木さんも、はじめはただ真似ているだけだと思っていましたが、次第に警察犬を目指せるのではないかと感じます。

鈴木さんの指導にへこたれずに応えていくアンズ。二人三脚で警察犬を目指す道が開いたのでした。

作中には、鈴木さんとアンズが出会った場所や、警察犬が普段、どんな暮らしをしているのかということにも触れられています。

こちらは低学年向けに書かれたもので、ガイド役となる子どもたちが登場します。
中学年向けには『警察犬になったアンズ』もありますので、年齢に合わせた本を選んでくださいね!

猫ってどうやって輸血するの?『空から見ててね いのちをすくう“供血猫”ばた子の物語』

▲『空から見ててね いのちをすくう“供血猫”ばた子の物語』はせがわまみ (著・写真)/ 集英社

一緒に暮らしている犬や猫が病気になったら、場合によっては「輸血」が必要になることがあります。

人間の場合「輸血」はその場で募集したりせず、最寄りの血液センターから手に入れますが、猫の場合、一部の動物病院では「供血猫」と呼ばれる、血を分ける役割を持つ猫がいるんです。

『空から見ててね いのちをすくう“供血猫”ばた子の物語』は、供血猫として活躍するばた子ちゃんが主役。
飼い主のはせがわさんの視点で、ばた子ちゃんとの思い出が綴られます。

「空から見ててね」となにやら不穏なタイトルとなっていますが、誤解のないようにいうと、ばた子ちゃんは供血が原因で亡くなったわけではありません。

また、供血の期間も猫にとって無理のない範囲で行われていて、ばた子ちゃん自身、とても丁寧にケアしながら育てられているので、安心して読み進めることができます。
「猫を支える猫」という知らない世界に出会える本です。

引退したあとの、盲導犬と人との話を集めた『盲導犬引退物語』

▲『盲導犬引退物語』沢田俊子(著)/ 大庭賢哉(絵)/ 講談社

目の見えない人が迷わないよう、まっすぐに導く盲導犬。盲導犬を育てるにあたり、人と安心して暮らせるための準備期間として、生後2か月齢から、1歳前後の子犬を預かる「パピーウォーカー」という制度が知られていますが引退した盲導犬たちは、どこに行くと思いますか。

『盲導犬引退物語』では6つの物語を紹介しています。

「引退」と聞くと、なんだかお別れをイメージしてさびしい印象になりがちですが、6組の、人と犬の物語を読んでみると、どのお話も彼らを「家族」として受け入れていて、「引退」によって、新しい生活がスタートすることがわかります。

すべての漢字にふりがながついているので、ひらがなが読めるお子さんは、1人でも読むことができます。

人と動物の歴史は、幸せな結末ばかりとは限りません。
むしろ、虐待されていたり、実験にされているものが多いかもしれません。

『がんばれ、アンズ! けいさつ犬になったトイプードル』のアンズは飼い主から「いらない」と動物センターに持ち込まれ殺処分寸前でした。

『空から見ててね いのちをすくう“供血猫”ばた子の物語』もまた、供血できるくらい元気なのに、飼育放棄で安楽死をと望んで連れてこられた猫です。

『世界のすごい動物伝記 おどろきに満ちた、歴史にのこる50の動物にも、人間の研究のために犠牲になった動物が登場します。

今回の本はすべて、はじめから幸せな話ではないですが、だからこそ大人から子に「読みなさい」と手渡すよりも、子どもがなにかのきっかけで、
「そういえば、動物がケガしたとき輸血ってどうするんだろう」
「盲導犬って引退したらどうなるんだろう」
と疑問に思ったときにそっと差し出せる本として、おすすめです。

読みながらどう感じるか、に子どもたち一人ひとりの考えが反映されるのではないかな、と思っています。

夏休み、ふだんの子どもとの会話で動物の話が出てくるようであれば、ぜひ読書感想文の候補に加えてみてくださいね。


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<執筆者プロフィール>

絵ノ本桃子

区立図書館勤務後、育児をきっかけにシェア本屋「せんぱくBookbase」を開店。和室のある本屋として町で暮らす家族にとって読書の楽しみを提案している。本屋運営の傍ら、学校図書館勤務を経て、現在は不登校の子たちの学習をサポートしている。3児の母。

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