【りんひろこ】「醤油」のうまみは小麦から生まれる!? 子どもと一緒に作れる「しょうゆ餅」

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2022.02.01

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【りんひろこ】「醤油」のうまみは小麦から生まれる!? 子どもと一緒に作れる「しょうゆ餅」

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【りんひろこ】「醤油」のうまみは小麦から生まれる!? 子どもと一緒に作れる「しょうゆ餅」

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外食する機会が減って、家族で食卓を囲む時間が増えた今、毎日の食事づくりに頭を悩ませている方も多いはず。

そろそろ自分の作るお料理の味にも飽きたよ! そんなママたちが笑顔になるレシピを、料理研究家のりんひろこさんがお届けします。

お子様と一緒に簡単に作れる、美味しくて栄養たっぷりの発酵料理をご堪能ください。
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〇醤油の歴史
醤油と味噌は、原料や使われる微生物も似ていることから、醬油の原型は味噌からできたといわれています。

鎌倉時代に覚心(かくしん)という僧侶が、中国から「径山寺(金山寺・きんざんじ)味噌」の製法を現在の和歌山県にあたる紀州に持ち帰ったのが始まりだそう。

この味噌の製造過程でできる上澄み液や、樽の底に溜まっていた液体(たまり)で食材を煮たところ、とても美味しいことに気づき調味液として使われるようになりました。

そして、江戸時代になると、紀州から下総国銚子(現在の千葉県銚子市)に漁業の出稼ぎに来る人が多くなり、醤油醸造業を創業する人が出てきます。現在も千葉の銚子で醤油醸造業が盛んなのはそのため。銚子では濱口儀兵衛の創業した“ヤマサ醤油”が有名です。

それとほぼ同時期に、江戸への交通の便の良さと、原料となる大豆の生産地ということで、千葉県の野田でも醬油醸造業(現在のキッコーマン株式会社など)が盛んになりました。こうして、野田と銚子を筆頭に、現在も千葉県が、国内最大の醤油産地となっています。


〇醤油はどうやって作るの?

醤油の原材料は、蒸した大豆と小麦を炒って砕いたものです。これらをよく混ぜ合わせてから、麹菌をつけて”醤油麹“にして、ここに食塩水を加えて半年から1年かけて発酵・熟成させたものが「醤油」です。

醤油は味噌同様に、麹菌だけではなく乳酸菌や酵母の働きを利用して作ります。それらのエサとなるブドウ糖を多く含むのが小麦なので、現在の醤油作りでは小麦は欠かせない材料です。まず乳酸菌がブドウ糖を食べて繁殖すると酸度が上がり、雑菌のような悪い菌が棲みつけなくなります。

そしてそのあとに働き出す酵母が、ブドウ糖を食べて、エタノールを発生させることで、醤油が良い香りとなるのです。


〇濃口醤油が江戸で大人気に
現在、日本で80%の生産量を占めるのが濃口醤油。香りがよく甘味とコクがあるため、どんな料理でもおいしく仕上げることができます。この濃口醤油の香りやうまみは、製造過程で小麦を加えることから生まれます。この濃口醤油が出てくるまでは、醤油は大豆を発酵させただけのもの(たまりじょうゆ)だったのですが、ここに小麦を加えて、より手軽で美味しい醤油(濃口醤油)を作り始めたのが、銚子の醤油醸造業者といわれています。

香りがよくコク深い濃口醤油は、あっという間に江戸で人気となりました。


〇「しょうゆ餅」の作り方

九州や四国では、濃口醤油を長期間熟成させた、より甘みの強い醤油が好まれています。実は中国の南部や台湾でも、こうした甘口の醤油が使われていて、特に南の方に甘い醤油が多い印象です。

愛媛県の松山市の郷土料理に、この甘い醤油を使った「しょうゆ餅」というものがあり、桃の節句の節句菓子としても親しまれています。これは、江戸時代初期の松山藩祖久松定勝が、家臣の繁栄を願って作ったものが始まり。米粉と醤油、砂糖だけで作るシンプルなお餅で、いろいろな形にできるので、お子さんと一緒に作ると楽しいですよ。


〇「しょうゆ餅」の作り方(2~3人分)

<材料>
上新粉(米粉) 170g
砂糖 50g
しょうゆ 大さじ2
しょうがの絞り汁 小さじ1/2程度
水 90?

<作り方>
1 ボウルに、上新粉、砂糖、醤油、しょうが汁を加えたら、水を3回に分けて入れて、箸などでよく混ぜ合わせる。



2 ひとまとまりになったら手で、なめらかになるまでこねる。



3 生地を4等分にして、クッキングシートをしいた蒸し器で15分ほど蒸す(ステンレス蒸し器をフライパンや鍋にしいたものでもOK)。



4 ボールに戻し入れ、すりこぎか、しゃもじ、スプーンなどでこねる。固いようであれば、水を小さじ1~3程度まで少しずつ入れて調整する。冷めたら手水をつけた手でこねる。



5 小さく分けて小判型や好きな形に成型する。爪楊枝であとをつけても良い。細長くしたものを半分に折ってねじると、ひねり餅になる。



6 再び、先ほどのクッキングシートをしいた蒸し器で8分程度蒸して出来上がり。

※固くなったらレンジで数秒から20秒程度加熱するか、トースターで焼くとふっくらする。
※鍋などに加えても美味しい。
※砂糖も控えめなので、朝食などにも良い。

ねじったり、動物型にしたりとアレンジ自在で楽しいですよ。お料理好きにさせる第一歩として、ぜひ、ご家庭でもお子様と一緒に作ってみてくださいね。


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<執筆者プロフィール>

りんひろこ

京都で学んだ懐石料理や、大学時代に時代に留学していた台湾料理、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。 言語聴覚士としての病院勤務経験を生かした介護食や嚥下食、離乳食の提案も行う。

「みなとキッチン」料理教室を2010年より主催。