【りんひろこ】日本最古の調味料の「酢」と果物の深い関係。柔らかくてさっぱりした味の「酢鶏」を作ろう!

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2022.03.01

りんひろこ

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【りんひろこ】日本最古の調味料の「酢」と果物の深い関係。柔らかくてさっぱりした味の「酢鶏」を作ろう!

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【りんひろこ】日本最古の調味料の「酢」と果物の深い関係。柔らかくてさっぱりした味の「酢鶏」を作ろう!

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外食する機会が減って、家族で食卓を囲む時間が増えた今、毎日の食事づくりに頭を悩ませている方も多いはず。

そろそろ自分の作るお料理の味にも飽きたよ! そんなママたちが笑顔になるレシピを、料理研究家のりんひろこさんがお届けします。


お子様と一緒に簡単に作れる、美味しくて栄養たっぷりの発酵料理をご堪能ください。
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お酢の歴史は世界的に見ても古く、紀元前5000年のメソポタミア南部で、ナツメヤシや干しブドウを利用してお酢を作り、薬として使っていたという記録が残されています。

紀元前2000年頃には、野菜をスパイスやハーブなどと一緒に酢漬けにしたピクルスが作られていました。

紀元前1100年には、中国でも酢作りが行われていたことがわかっています。そして、4~5世紀頃になると、米を原材料にした酒の醸造技術と共に、米酢作りが中国から日本に伝わります。

 
4~5世紀頃の日本は古墳時代。醤油や味噌が伝わるよりずっと早い時期から、「酢」は存在していたことになります。しかしそれだけでなく、もっと古い3世紀に記された中国の書物にも、日本人が酒を飲んでいたという記述があるので、実際にはもっと昔から、「酒」とそして酒を放置して酸っぱくなった「酢」も存在していた可能性があります。

 
平安時代になると、貴族の食事には調味料として、酢、塩、醤、酒の小皿が置かれ、干し物や生魚にこれをつけて食べていたそうです。「酢」は味付けだけでなく、殺菌力があり、保存性をも高められるので、昔の人にとってはとても重要な調味料でした。


〇酢作りに欠かせない酢酸菌は果物の皮にくっついている!?

酢の歴史を見ると、酒と酢はセットで出てきますが、なぜかというと、お酢は酒から造られるからです。「酒」に酢酸菌をつけて発酵させると、「酢」になります。

 
この酢酸菌は特別なものではなく、日常の至る所にあります。空気中にも浮遊していますが、果物の皮にたくさんついている菌で、果物の中でも、柿、りんご、びわの皮には酢酸菌がたくさんついています。

 
日本でも古くから栽培されている柿は、熟してトロトロになったらヘタをとり、皮ごとつぶして清潔な瓶に入れておくだけで「柿酢」になります。日本の果実酢としては、柿酢が最も古くから自然に作られ、利用されていたといわれています。

まず、柿の皮についている酵母菌が柿の甘味を使ってアルコール発酵し、アルコール(柿酒)になります。それをさらに、そのまま放置すれば、柿の皮についている酢酸菌が、アルコールを使って酢酸発酵をして「柿酢」になるのです。

 
我が家では毎年、熟れすぎた柿を瓶に入れて放置して、柿酢を作っています。この柿酢は料理にも、庭木の害虫予防にも使えるんですよ。

 
その他、外国では、りんごを使ったアップルビネガーや、ぶどうを使ったワインビネガーなど、その地でとれる果物を使った「酢」が昔から作られていて、世界では果物酢が「酢」の主流です。



〇お酢は疲労回復や便通改善に効果的

お酢には胃酸の分泌を促す作用があり、また、腸内の善玉菌を増やすことで便通の改善効果が期待できます。また、お酢に含まれる酢酸やクエン酸は、疲れの原因物質である乳酸を分解してくれるので、疲労回復効果が期待できます。夏場には、酢のさっぱりとした酸味が食欲増進の助けにもなりますよ。

 
お酢は酸っぱいので、子どもたちにはあまり人気がない印象ですが、しっかり加熱すれば酸味が飛んで発酵の複雑なうまみが感じられます。鶏肉を醤油と酢で煮詰める「酢鶏」は、酢を使っているので冷めても柔らかく、さっぱりした味でお弁当にも便利ですよ。



〇「酢鶏」の作り方(3〜4人分)

<材料>

ブロッコリー 1/2個

鶏ささみ 3本

片栗粉 大さじ1

油 大さじ1/2


A

しょうゆ 大さじ1

酢 大さじ2

砂糖 大さじ1



<作り方>

1 ブロッコリーは小さめの一口大に切り分ける。ささみは3㎝幅に切り、片栗粉をまぶす。



2 フライパンに油を熱し、鶏ささみを炒め、鶏肉が白っぽくなったら、ブロッコリーも入れて、鶏肉に火が通るまで3~4分炒める。



3 鶏肉に中まで火が通ったら一度火を止め、Aの調味料を加える。



4 再び中火にかけ、酢の酸味が飛ぶまで2分以上、時々かき混ぜながらしっかり煮詰める。ほとんど汁けがなくなったら、火を止め出来上がり。



手早く短時間でできて、野菜とお肉が同時にたっぷりとれる優秀メニューです。忙しい朝や、夕飯のメイン料理としてもおすすめです。ぜひお試しくださいね。
  
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<執筆者プロフィール>

りんひろこ

京都で学んだ懐石料理や、大学時代に時代に留学していた台湾料理、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。 言語聴覚士としての病院勤務経験を生かした介護食や嚥下食、離乳食の提案も行う。

「みなとキッチン」料理教室を2010年より主催。