【頼藤太希】サラリーマンは使わなきゃ損する節税制度「医療費控除」「セルフメディケーション税制」どちらを使うのがおすすめ?

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2022.04.26

頼藤太希

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【頼藤太希】サラリーマンは使わなきゃ損する節税制度「医療費控除」「セルフメディケーション税制」どちらを使うのがおすすめ?

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【頼藤太希】サラリーマンは使わなきゃ損する節税制度「医療費控除」「セルフメディケーション税制」どちらを使うのがおすすめ?

サラリーマンでも確定申告をすることでできる節税対策のひとつに、「医療費控除」があります。また、医療費控除には「セルフメディケーション税制」という、医療費控除の特例もあります。


どちらも、サラリーマンの節税に役立つのですが、毎年どちらか片方しか利用できません。実はこれらの節税制度、サラリーマンなら使わなきゃ損する節税対策です。


今回は、「医療費控除」「セルフメディケーション税制」のしくみと、どちらを使うのがおすすめなのかをケース別に解説します。


◎医療費がかかった場合に節税できる医療費控除

医療費控除は、1年間に負担した医療費が多くなったときに、確定申告することで節税できる制度です。医療費控除は税金の計算のもとになる所得を差し引く「所得控除」の一種。所得控除が大きいほど所得が減るため、所得税や住民税が節税できます。


医療費控除の控除額は、次の計算式で求めます。

◎医療費控除の控除額

・所得200万円以上の場合

(1年間の医療費の合計額-保険金や公的給付の補てん金額)-10万円


・所得200万円未満の場合

(1年間の医療費の合計額-保険金や公的給付の補てん金額)-所得額の5%

※上限200万円


1年間の医療費の合計から、医療保険や健康保険などから受け取ったお金を引いた額が10万円超(所得200万円以上)

・所得額の5%超(所得200万円未満)の場合、医療費控除が受けられます。


医療費控除の対象になる医療費は次の表のとおりさまざま。治療目的ならばほぼ認められますが、病気の予防や健康維持、疲労回復などが目的のものは対象外となります。


「予防」や「健康維持」は医療費控除の対象外なのだと覚えておきましょう。

【医療費控除の対象になる主な医療費】

(株)Money&You作成


◎市販薬を購入して税金が節税できる「セルフメディケーション税制」


セルフメディケーション税制は、薬局やドラッグストアで対象の市販薬(OTC医薬品)を購入したときに、確定申告することで税金が節税できる制度です。

セルフメディケーション税制の控除額は、次の計算式で求めます。


◎セルフメディケーション税制の控除額

年間の対象市販薬の購入額−1万2000円

※上限8万8000円

対象の医薬品には、外箱に「税控除対象」などとマークが記されているほか、レシートなどにもマークが記されています。


また、セルフメディケーション税制を利用するには、所定の健康診断を受診する必要があります。以前は健康診断の証明書を確定申告の際に提出する必要がありましたが、2021年分の確定申告からは提出不要になっています。


ただし、確定申告期限等から5年間は保管する必要があるので、捨てないように注意してください。


◎医療費控除とセルフメディケーション税制、どちらを使うのがお得?

医療費控除もセルフメディケーション税制も、サラリーマンが支払った医療費をもとに節税ができる制度なのですが、併用はできません。そのため、医療費控除を使うべきかセルフメディケーション税制を使うべきかは、年間の医療費の合計額によって考えなければなりません。


以下、「年間の所得が200万円以上」の方の場合で使い分けを紹介します。
①年間の医療費の合計額が10万円以下の場合


年間の医療費が10万円以下の場合は、そもそも医療費控除が利用できないので、セルフメディケーション税制を利用しましょう。


②年間の医療費の合計額が10万円超18万8000円以下の場合

医療費控除とセルフメディケーション税制の控除額を計算して、より控除が受けられるほうを利用しましょう。


ケース1:年間医療費合計が13万円(うち対象の市販薬の購入費が3万円)の場合

・医療費控除:13万円-10万円=3万円

・セルフメディケーション税制:3万円-1万2000円=1万8000円

→医療費控除の方がより節税でき得


ケース2:年間医療費合計が16万円(うち対象の市販薬の購入費が8万円)の場合

・医療費控除:16万円-10万円=6万円

・セルフメディケーション税制:8万円-1万2000円=6万8000円

→セルフメディケーション税制の方がより節税でき得


③年間の医療費が18万8000円超の場合

年間の医療費が18万8000円を超えても、セルフメディケーション税制での控除は8万8000円までです。医療費控除ならば最大200万円まで控除が受けられるため、この場合は医療費控除を受けた方がより節税でき得になります。


◎家族の分も合算して節税に役立てよう

サラリーマンでもできる節税対策として、医療費控除とセルフメディケーション税制を紹介しました。


医療費控除もセルフメディケーション税制も、同一生計の家族の分もまとめて申告できます。家族全員分の医療費のレシート・領収書を集計し、より税金が取り戻せる方法を選んで、家族の中で一番所得が多い人が申告するといいでしょう。


なお、レシート・領収書は提出不要ですが、5年間保存しておかなければなりません。税務署から求められたときは、提示又は提出しなければならないからです。ですので、なくさないように注意しましょう。

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<執筆者プロフィール>

頼藤太希

(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。

慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha」を運営。著書は『はじめてのお金の基本』『そのままやるだけ!お金超入門』『はじめての資産運用』『1日5分で、お金持ち』『はじめてのNISA&iDeCo』など多数。twitter→@yorifujitaiki