【頼藤太希】iDeCoとふるさと納税は併用すると損なの?

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2022.10.27

頼藤太希

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【頼藤太希】iDeCoとふるさと納税は併用すると損なの?

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【頼藤太希】iDeCoとふるさと納税は併用すると損なの?

老後の年金の上乗せ分を作るiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、サラリーマンでも節税しながら年金を増やせるお得な制度。

またふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄付することで節税できてお礼の品まで手に入る、ダブルでお得な制度です。

サラリーマンにとってはどちらもお得で有難い制度なのですが、「iDeCoとふるさと納税を併用すると損」といわれることがあります。本当でしょうか。

そんなことはありません。サラリーマンももちろん、iDeCoとふるさと納税は併用したほうがお得です。その理由を解説します。

◎iDeCoをおさらい


iDeCoは、自分で出した掛金を投資信託・定期預金・保険で運用し、増やした資産を60歳以降に受け取る制度。公的年金(国民年金・厚生年金)の上乗せを堅実に用意する「じぶん年金」の制度です。

●iDeCoの制度概要

(株)Money&You作成


iDeCo最大のメリットは、積立時・運用時・受取時の3つのタイミングで税制優遇が受けられることです。

●iDeCoの3つの税制優遇

・積立時…掛金が全額所得控除になるので、毎年の所得税や住民税が減らせる
・運用時…運用益が非課税なので、効率よくお金を増やせる
・受取時…一括で受け取ると退職所得控除、分割で受け取ると公的年金等控除ができるので、税金の負担が減らせる

2022年10月からは、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入しているサラリーマンも、iDeCoを併用しやすくなりました。
iDeCoを活用することで、老後資金をより手厚く用意できるようになります。

◎ふるさと納税をおさらい

一方のふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付をする制度です。
寄付をすると、寄附金控除というしくみで、2,000円を超える金額を所得税・住民税から控除できます。

さらに、多くの自治体からは、食料品・雑貨・日用品といった返礼品(寄付金額の3割相当)が受け取れます。

ふるさと納税で自己負担額が2,000円になる金額には上限額があり、年収や家族構成により異なります。

●ふるさと納税の上限額の目安

(株)Money&You作成


確定申告の必要のないサラリーマンで、寄付先の自治体が5つ以内ならば「ワンストップ特例」で簡単に手続きが可能。

確定申告が必要な場合でももちろん、確定申告することでふるさと納税の控除を受けられます。

ふるさと納税を使っても使わなくても、所得税や住民税は支払うのですから、ふるさと納税を使って返礼品を受け取ったほうが得になります。

◎iDeCoとふるさと納税、併用するとどのように税金が減る?
それでは、iDeCoとふるさと納税を併用した場合に、税金が減る流れをチェックしましょう。

(株)Money&You作成


所得税・住民税は、毎年の給与収入から、
・サラリーマンの経費にあたる「給与所得控除」
・個人の事情を税金に反映させる「所得控除」
を引いた課税所得に、所定の税率をかけて算出します。

また、計算された所得税や住民税を直接減らす「税額控除」もあります。

iDeCoとふるさと納税を併用すると、まず所得控除として
・iDeCoの掛金
・ふるさと納税の寄附金額
が差し引けます。そうすることで課税所得が減るため、所得税の金額も減ります。

さらに、住民税からはふるさと納税の寄附金額を税額控除できます。

ポイントは、所得控除の部分です。ふるさと納税の上限額は、課税所得を基準に計算されており、課税所得が高いほど、上限額も多くなります。

しかし、iDeCoを利用して所得控除を受けると、課税所得が減ってしまいます。すると、ふるさと納税の控除額上限も減ってしまう、というわけです。

たとえば、年収400万円の独身または共働きの方で、iDeCoを利用していなかった場合のふるさと納税の上限額は4万3000円です。

このうち2,000円は自己負担ですので、4万1000円分が所得控除できます。しかし、iDeCoの掛金を月2万3000円かけていた場合のふるさと納税の上限額は3万5000円になる計算です。ふるさと納税の上限額は8,000円少なくなってしまいました。

◎iDeCo+ふるさと納税の合計では節税額が多くなる!

iDeCoとふるさと納税を併用することで、ふるさと納税の上限額が減ってしまえば、もらえる返礼品もその分少なくなるので、一見損に思われるかもしれません。

しかし、iDeCoを併用することで、iDeCoでも節税ができるため、節税額の合計は「iDeCo+ふるさと納税」のほうが大きくなります。

たとえば、年収400万円の方の所得税率は5%です(住民税率は一律で10%です)。

iDeCoに月2万3000円(年間27万6000円)掛金を出した場合、iDeCoで節税できる金額は、27.6万円×15%=4万1400円となります。
これに加えて、ふるさと納税を上限まで行ったとしたら、節税額の合計は、

・ふるさと納税のみの場合:4万1000円(返礼品は1万2300円相当)
・iDeCo+ふるさと納税の場合:4万1400円+3万3000円=7万4400円(返礼品は9900円相当)
となります。

つまり、iDeCoとふるさと納税を併用した方が3万3400円分多く節税できます。

返礼品の差額は2400円相当です。

iDeCoとふるさと納税を併用すると、確かにふるさと納税で控除できる金額の上限が減ります。

しかし、iDeCoとふるさと納税を併用した場合の節税金額の合計は、ふるさと納税のみの場合より増えます。返礼品の差額を踏まえても、iDeCoとふるさと納税は併用するのがおすすめです。

なお、実際にいくらお得になるかは、年収や適用される所得控除の種類・金額により異なります。

ふるさと納税のポータルサイトには、シミュレーションが用意されているので、自分のデータを入力して確認してみましょう。



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<執筆者プロフィール>

頼藤太希

(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。

慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha」を運営。著書は『はじめてのお金の基本』『そのままやるだけ!お金超入門』『はじめての資産運用』『1日5分で、お金持ち』『はじめてのNISA&iDeCo』など多数。twitter→@yorifujitaiki