【吉野加容子】子どもの不注意が心配なママにやってもらいたい対応法② お家で遊びながら探し物上手になろう!
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「おもちゃ箱の中の遊びたいおもちゃを見つけられない」
「本棚から必要な絵本を見つけられない」
「ついさっきまで使っていたはずなのにハサミがない!と探している…」
こんな風に、事あるごとに物をなくしたり、探し物ばかりしているお子さんを見て、心配になったことはありませんか?
実は、不注意傾向があるお子さんたちは、「忘れ物・失くし物」が多いんです。
もちろん、まだ年齢的に片付けがうまくできなくて、あちこちに物が散らばったものを結果的に探している、ということもあるかもしれません。

けれども、さっきまで遊んでいたおもちゃを無意識にどこかに置いてしまって、「ママ、僕のおもちゃどこにやったの?」なんて言われると、ママも困ってしまいますよね。
さらに、一緒に探してみると、すぐ近くにあったりして、目が悪いわけじゃないのに、なんで気が付かないのかしら?と不思議に思うことがあるかもしれません。
・探しているのに、見つからない
・見つかるまでに時間がかかる
・一人では探し出せない
こうした子どもの不注意な行動がなぜ起きるのかというと、目で見える物の中から必要な情報に注目することが苦手、というのが原因です。
普段私たちは、たくさんの刺激を受けながら必要なものに注意を払って生活しています。手で何かを触りながら、目で何かを見て、耳からも音がずっと入ってきます。
何かを見て判断する、見つけるということは、この刺激の中で脳をフル回転させ一瞬一瞬で必要な情報を取捨選択しているのです。

この時に、目で見たものに注目する力が弱いと、「探し物が見つからない」ということが起こってしまうのです。
ですから、不注意傾向の子どもたちにとっては、たくさんの刺激で気が散ってしまうと、注目すべき大事な情報を素早く見つけられず、探し物をする行動が目立ってしまいます。
では、どうすれば探し物が多い子どもが、必要なことに注意を向けられるようになるのでしょう?
それには、まず気をそらさずに注目すべきものを見て、選ぶことができる注意力が大切です。
今回は、家庭でママと一緒にできる遊びを通して、注意力をアップする方法をお伝えしますね。
【①点つなぎ】

市販の知育プリントによくある「点つなぎ」は、注意力を育てる遊びとして有効です。
紙面上に数字がたくさん書いてあり、順番通りに数字を線で繋いでいくと絵が完成する定番の遊びですね。
この遊びをするには、たくさんの数の中から最初の「1」を探し出す必要がありますよね。
毎回時間を測って、「何分でできるかな~?」と時間短縮を狙うと気分ものって、集中しやすくなりますよ。
【②探し絵本の活用】

「ミッケ」や「ウォーリーを探せ」などの探し絵本がありますが、これも不注意のトレーニングに最適です。
もし「ウォーリーを探せ」が手に入らない場合には、普段から読んでいる絵本も活用できます。
例えば、絵本を読み聞かせをしながら、「さて、ウサギさんはどこにいるでしょう?」など特定の絵を探すように指示してみてください。
字が読める年齢でしたら、本を開いて、その見開きページの中から「す」という文字を全部探させる、というのもいいですね。

こうしてたくさんの情報の中から必要なものへ意識を向けられるようになってくると、注意力アップに繋がっていきます。
見る力を育てて、注意力を高めていくことは将来、文章を読んだり、テストで解答欄を間違えずに記入するなど、学習の場面でも大きく影響してくるので、今のうちから育てておきたい力ですね。
まずは、普段お家できる簡単な遊びから試してみてください。だんだんと見る力が育って不注意な行動も軽減してきますよ。
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<執筆者プロフィール>

吉野加容子
親子のコミュニケーションをスムーズにして子どもの発達を加速させる
発達科学コミュニケーショントレーナー